無題
例えれば、叶わぬ夢は過ぎ去りし記憶とならぬ遠きおもひで
無題
背を向けて立ち去るきみは一枚の絵画となりて、我にこころに
無題
吐く毒をわが身に向けてみることが、冬の夜寒は心地よくある
無題
言の葉は海に流せばそれでいい あとは忘れたふりをするだけ
推敲
恋文は海に流せばそれでいい あとは忘れたふりをするだけ
無題
厳寒の明るき月に、やがて降る雪を尋ねて夜半を過ごす
無題
不自由は社会に生きる算段で自由は孤独 言うまでもなく
無題
ラベリング 張られるまでの関心は、貼られてからの淋しさとなる
無題
誰しもが罪の芽を持つ人なれば、彼を我とも思う冬の日
無題
凍らせたこころを、次の冬がくるまで融けぬよう、そっと眠らす